著作権法改正案、参院で参考人質疑 [ニュース]

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DVDリッピング違法化+私的違法ダウンロード刑罰化法案、衆議院で可決

>「市場を公正なものに」「CDが売れるようにはならない」──著作権法改正案、参院で参考人質疑
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1206/19/news089.html


一部抜粋
 違法ダウンロードに刑事罰を導入する著作権法改正案が衆議院を通過し、審議は参議院に移った。参院文教科学委員会は6月19日午後、違法ダウンロード刑事罰化について参考人質疑を行い、参考人からは「日本の文化を守るために不可欠だ。ネットのルールも万引きが罰せられるリアルと同じでなければならない」「刑事罰化に違法ダウンロード抑止効果があるのか慎重に議論すべき」と賛成・反対の立場から意見が出た。

 参考人として招致されたのは、岸博幸・慶應義塾大学大学院教授、日弁連の市毛由美子事務次長、コンテンツビジネスに詳しい久保利英明弁護士、インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事の津田大介さん。


ルールもリアルと同じでなければならない」──岸教授

 岸教授と久保利弁護士は賛成の立場から意見を述べた。

 岸教授は賛成の根拠として3点を挙げた。まず「日本の文化を守る点から不可欠。良いコンテンツ、良いアーティストに資本投下したレコード会社が正当に報われるようにしなければならない。ネットで無料入手できる環境は改める必要ある」とした。

(略)

「日本のコンテンツビジネスはもたない」──久保利弁護士

 久保利弁護士はコンテンツビジネスに長年携わり、政府の知的財産戦略本部に参加した専門家として「刑事罰をもってダウンロードまで規制しないともう日本のコンテンツビジネスはもたないのではないか」と危機感を表明。いわゆる総会屋が刑事罰の導入で減ったことを例に出し、刑事罰を導入することで違法ダウンロードを「やってはいけないこと」と周知し、「国は適切に刑事的な権限行使することでまっとうな国にする。そういう前提で刑事罰を作るのは何も悪いことではない」とした。

(略)


「刑事罰化する前にやることがある」──日弁連

 日弁連の市毛事務次長、津田さんは反対の立場から意見を述べた。

 市毛事務次長は、2年前の「違法ダウンロード」導入時に当時の文部科学大臣が罰則は科さないことを明言しており、「施行後2年で立法事実の何が変化したのか。修正案の前提としてきちんとした説明がなされていない」と批判。「私的領域への刑事罰導入は極めて慎重であるべきだ」という日弁連の基本的立場から、刑事罰の対象となる「違法コンテンツのダウンロード」という行為について、罪刑法定主義の観点から明確になっているのか議論すべきとし、処罰対象が故意犯だったとしても故意かどうかを判断するのは非常に難しいと指摘した。

(略)

「ユーザーは萎縮することで買わなくなる」──津田さん

 津田さんはまず、文化庁管轄の私的録音録画小委員会で委員として議論に参加してきた経験を振り返り、違法ダウンロード導入の賛成者も刑事罰化は「バランスが悪い」と反対していたことを挙げ、「政治家の仕事は多様な立場の人の意見をきき、利害を調整して大所高所から制作をやっていく、媒介としてのメディアのようなものだ。今回の場合、法曹関係者の多くがバランスが悪いと考えているのは厳粛に受け止めていただきたい」とした。

 刑事罰導入の「筋の悪さ」から、音楽業界の要望を受けた自民・公明の議員立法による修正案で改正案に盛り込むという経緯も「一部の業界の意見だけを聞いている」と批判。「違法ダウンロードの被害は6800億円近いという調査結果があるが、CDのピーク時だった90年代後半の市場が6000億円だったのに、被害が6800億円というのはバーチャルに過ぎるのではないか」と、根拠などが偏っているのではないかと指摘。「偏った結果に大してチェックして慎重に議論してやっていくのが国会の役割。それがチェックなしで進んでいくのは非常に残念だ」とした。

(略)


抑止効果はあるのかないのか

 質疑では、「スリーストライク法」を導入したフランスで、違法ダウンロードが減ったことで音楽業界の収益が上がったのか、議員から問われた岸教授が「音楽配信市場は規制によって売り上げが伸びた」と答えたものの、フランスの音楽産業自体はマイナス成長だったことを指摘され、「経済状況などの要素によって変わる。検証を始めた瞬間に多くの変数が出てくる」と、規制による効果の検証は難しいとした。

 日弁連の市毛事務次長によると、日本レコード協会からは違法アップロードについて告訴したのは2011年度で6件だったという。「アップロードに対しての刑事罰がきちんと施行されていると言えないのではないか。それでも必要ならその段階で議論するので構わないだろう。今の段階で検証がなされていないまま通ってしまうのは民主主義のルールとしていかがなものか」と疑問を呈した。

 津田さんは「効果があまり見込めない反面、副作用としてユーザーの萎縮が起こるだろう」と見るが、久保利弁護士は「刑事罰では可罰的違法性があるのかどうかなど全ての事件についてチェックがかかるし、違法ダウンロードでもチェックは当然かかる」と簡単なダウンロードでは検挙されないだろうとの見通しの上で、「なにを萎縮するのか。違法行為をしないように萎縮するのであれば、それは抑止なのではないか。それで音楽から離れていくなら仕方がない、正規品も欲しくない、CDも欲しくないという音楽しか作ってないのなら仕方ないだろう」と述べた。

 岸教授は、違法ダウンロード禁止だけでは文化は進化しないことを認めた上で、コンテンツ業界の未来に向けて、(1)魅力ある作品を作ること。音楽業界に限らず、収益が下がったため制作力が弱くなっている、(2)ビジネスの構想力が足りない。海外ではSpotifyなどストリーミング聴き放題サービスなども出てきている──ことを挙げた。津田さんは、録音録画補償金の延長的な考えとして、サービス業者などから「コンテンツ税」的なものを徴収し、クリエイターに還元していく方向もあるのではとした。


>「違法ダウンロードの被害は6800億円近いという調査結果があるが、
>CDのピーク時だった90年代後半の市場が6000億円だったのに、
>被害が6800億円というのはバーチャルに過ぎるのではないか」

この意見だけで、音楽業界がどういうつもりなのか分かる気がする。
ネットを普通に利用するだけの人は、CDじゃなくてもいいし、
プロの制作じゃなくてもいいし、機械音でもいいと思ってるのだし。

とりあえず、審議無しで衆院通過とかがおかしい。



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